6th Album 「COSMONAUT」, BUMP OF CHICKEN II [2005-2010]

BUMP OF CHICKEN 「宇宙飛行士への手紙」歌詞の意味

主な収録作品:宇宙飛行士への手紙 / モーターサイクル
BUMP OF CHICKEN
トイズファクトリー
2010-10-13

【はじめに】 基本的に、ここで書くのは言葉的な解釈だけです。「曲のテーマ」とか「メッセージ」とかは聴いたひとそれぞれが感じるものなので、そのあたりの考察にまでは踏み込まないようにしたいかなと思います。

→BUMP OF CHICKEN 「宇宙飛行士への手紙」歌詞(リンク)

【歌詞の大まかな意味】

ひとりで歩いた道を今でも覚えてる。
雨上がりの、雲の向こうから日が照る景色の中で歌ったことも。
その場所のにおいだって、
まるで色がついてるみたいに鮮やかに記憶に残ってる。
その頃の僕にとっての未来に、今の僕は生きている。

空を網目状に走った稲妻を今でも覚えてる。
その胸の高鳴りを説明する言葉なんかなかったけど、
僕は小さい体でとにかくそれを追いかけた。

ああ、でもダメなんだ、どれだけ言葉を尽くしたって、
あの日の思い出を君に伝えることなんかできない。
言葉にして伝えたところで、それは思い出そのものじゃない。
思い出を言葉に直したものでしかないんだ。

時間が許す限り、君と一緒にいたいって思うのは、
君と出会う前の時間を、
君と過ごせなかった時間を、取り戻したいと思うからだ。
今の時間だってすぐに過ぎ去って、二度と経験することはできなくなるからだ。
そんな悲しいことが起こらないうちに、
もっと一緒にいればよかったと後悔しないうちに、
僕は君との時間をめいっぱい手に入れておきたいんだ。

 

砂時計はいつも同じ時間を測るけど、その時間はそれぞれ別のもの。
同じ時間が繰り返されることはない。
この世の全ては、一度失ったら二度と取り返せない。
みんな、頭ではわかっている。

生きた本物の恐竜に触ってみたい。
宇宙の果てから地球を見てみたい。
僕の持ち時間があるうちに実現するのかな。
でもその時間ってどのくらいの長さなんだろう。
長いかもしれないし、もしかしたらすごく短いかもしれないんだ。

だからずっと一緒にいて、一緒にいろんなところへ行こう。
同じ思い出を、たくさん、ふたりで持とう。
それをなくさないように、何度も話してお互いに教え合いっこするんだ。
あんなことがあったね、こんなこともあったよねって。

死ぬときまで一緒にいたいなんて、現実的じゃないとは思いつつ、
それでも心の底からそう願ってしまうんだ。
だってこうやって奇跡みたいに、
君が生きている時代に居合わせることができたんだから。
そしていつか僕はこの世からいなくなって、夜空の星になって、
またひとりぼっちになってしまうと思うから。
でもその星の輝きは、きっと、君と過ごした思い出がくれる光だと思うから。

 

できればずっと、いつまでも、君のそばにいられればいいのにと思う。
君が遠慮がちに教えてくれた悲しい記憶を、
一緒にいられなかった頃の辛い思い出を、僕は知っているから。

命が終わる時まで一緒にいたい、なんて冗談みたいなことを
心の底から思えるようになれたのは、
その命の輝きを、あきらめることなく繋いできた君の命の輝きを、
君に見せてもらえたからだ。

そして僕らはいつか夜空の星になって、
お互いひとりぼっちになってしまうからだ。

でもふたりで過ごしたこの今の時間は、
いつか過ぎ去って取り返せないものになっても、
それがずっと先の未来まで、僕らの生きる力になってくれると思うからなんだ。

 

今度はふたりで歩くあの日の道。
僕らが生きている今は、未来と過去の間の、ほんのわずかな時間でしかない。
一度過ぎ去ったものは取り戻せない。
だからこそ全てに価値がある。
頭でしか知らなかったものに、僕は実際に出会えたんだ。

 

◆「過去」「今」「未来」という歌詞について

時間は過去、現在、未来の順に流れていきますが、それは不動のものではなくて、時間の経過とともに移り変わっていくものです。たとえば「明日」という日は、今日から見れば未来ですが、実際に次の日になってみれば、それはもう未来ではなく「現在」になります。

「今が未来だった頃」とは、現在を「未来」と思って見ていた時代、つまり「過去」のこと。
「今もいつか過去になって」とは、現在の時間も、未来から見れば過去になってしまうということ。
「それが未来の 今のうちに」とは、そうやって未来になって、「現在」が「過去」に変わってしまう前に、ということ。

このような時間の流れを客観的に見る視点について、藤原さんはインタビューで次のように話しています。

──この曲の歌詞に触れていても改めて思うのは、時間という概念こそが藤原さんを表現に向かわせる枯渇しないテーマ、動力になっているんだなということで。

藤原 なんかね、そんなことばっか考えているんですね、僕ね(苦笑)。そもそもそういうテーマを描いたSFが好きだったし。あのときこうだったら、と思うことが実際そうできてしまうお話とか。未来を知ることができたら、と思って実際知ることができるとか。有名なところでいえば「ドラえもん」もそうですし。自分の中では時間について考えることはすごく大切なことだし、誰もが普段から考えていることでもあると思うんです。だから「後悔」なんていう言葉もあるわけで。
https://natalie.mu/music/pp/bumpofchicken03/page/2

 

◆曲名の「宇宙飛行士への手紙」について

アルバム「COSMONAUT」(=宇宙飛行士)のタイトルの由来を聞かれた際、藤原さんがこのように語っています。

「宇宙飛行士への手紙」という曲が先行シングルとしてリリースされましたけど、この言葉は僕の頭の中でずいぶん前……2つ前のアルバム(「orbital period」)くらいから存在していたものだったんです。個人的には大きな思いが詰まっている言葉というか……。それは全然説明できない思いでもあるんですけど、きっと今回のアルバムのタイトルになるんだろうなとは漠然と思っていて。でも、アルバムの制作期間にできたある1曲にタイトルをつけることになって、そうしたら「宇宙飛行士への手紙」という頭の中にずっとしまってあった言葉がポロッと出てきて。「もう、これしかないわ」と思ったのが「宇宙飛行士への手紙」という曲になったんです。
https://natalie.mu/music/pp/bumpofchicken04/page/4

そして「宇宙飛行士とは、音楽を通して過去、現在、未来を行き来するメンバー自身のことを指しているのではないか」というインタビュアーの問いには、藤原さんは

ああ、なるほど……。すみません、これもぼんやりさせておきたいですね(苦笑)。

とのみ答えています。この曲単体で見た場合、曲に「宇宙飛行士への手紙」と名付けられているところから、「宇宙飛行士」はその曲の受け手を指すというのが自然な解釈かと思います。

※ 2018/03/21更新

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